E331系は2006年3月に登場した一般型電車である。当時京葉線で使用されていた201系を置き換える目的で14両1編成が量産先行車として製造され、国鉄及びJRの営業用としては初の連接車となった。

車体

軽量ステンレス構造で全面はE231系500番台とよく似ているが、連接台車を採用した関係で車体幅は従来より39mm広い2989mmである。扉はE993系では外吊り方式だが、本形式では従来と同じ引き戸が採用された。

窓枠はE231系の1段下降式から下段固定・上段加工式となった。

14両編成であるが、車体の全長は13.4mでクハE331形・クハE330形・サハE331形1000番台・サハE330形は16.5mである。このため1編成の全長は10両編成と同じである。車体が短くなった関係で側扉はE231系等の4扉から3扉となった。

室内

視認性向上のため扉の端にE531系で採用された黄色のマスキングテープが貼られ、扉付近の床は黄色に、扉にはドアチャイムとドアランプが搭載されている。

つり革はE993系とE531系の黒から白に変更された。なお、優先席付近は2008年頃よりオレンジ色に交換されている。この他にも車椅子スペースがある他、車椅子でスムーズに乗り降りできるように専用の格納式電動スロープを装備している。

座席はロングシートで先頭車の中央のみクロスシートに可変する事が可能で中央の部分を回転させるとロングとクロスを変更できる。シートの柄はE231系500番台と同一とされた。

性能

制御装置はIGBT素子のVVVFインバータ制御が採用されたが、E993系での成果を受けて開発された車両である事から営業用で初めて車軸直接駆動式モーター(DDM)を採用した。また、本形式では永久磁石同期電動機(PMSM、MT77形)を採用している。加速時はチョッパ音のような非同期音の後一度変調するとその後はほぼ無音になる。(減速時はその逆)MT比は6M8Tで最高速度は120km/hである。

運用

2007年3月18日のダイヤ改正から営業運転を開始した。休日ダイヤで運転され、将来的には平日ダイヤでも運転される予定であった。2010年まで営業運転を兼ねて試験走行を行い、量産化するか検討されていた。しかし故障が多く運用を離脱していた時期が多かったためか量産化は見送られ、E233系5000番台が後継車両として投入された。その後も運用復帰しては離脱を繰り返した後2014年3月25日に長野総合車両センターに配給輸送され、4月2日に廃車となった。

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